東京大学(東大)の公開オンライン講義「MOOC」ですが、昨年2講座を開講致しました。MOOC(MOOCs)という意味では、日本で最初の事例です。さすが、東大。やることが大胆かつ早い。巷にある保守的なイメージとはかけ離れています。濱田さん(濱田純一総長)の改革パワーも大きいでしょうね。
>> 東京大学[社会連携] 大規模公開オンライン講座(MOOC)
さて、その歴史的なニッポン初のMOOC講座ですが、東京大学がオンライン講座に自信を持って繰り出したのは、物理学の村山斉教授と政治学の藤原帰一教授でした。そこで、質問。はたしてその2講座で修了できたのは何人でしょう?
※写真:村山斉教授、東京大学Webサイトより
※写真:藤原帰一教授、東京大学Webサイトより
東京大学がMOOC利用を強化 受講者や修了者の実績も公開
2014年秋から、米Harvard Universityと米Massachusetts Institute of Technology(MIT)が出資するMOOCの「edX」で講義を開講する。開講するのは、近現代の日本に関する講座「Visualizing Japan」。同講座は東京大学に加え、Harvard UniversityとMITが協力して開発する。
東京大学は2013年9月、同じくMOOCの「Coursera」を使った講義を国内の大学で初めて開講。これまでに2講座を開講し、世界150カ国以上から述べ8万人強が登録。約5400人が修了した実績があるという。新たにedXでも講義を開講し、MOOC活用の取り組みを進めたい考えだ(発表:東京大学<2014年2月18日>)。
答えは「約5400人」。これは結構な数で、修了証を有料にすれば、仮に一人1000円だとしても540万円也となります。登録で課金して、修了で課金すれば、もっと額は大きくなる。仮に登録料100円でも、8万人強の登録があったので、登録料だけでも800万円以上集められる。
お金の話ばかりで大変恐縮ですが、資金集めに苦慮している大学にとって(東大も例外ではありません。「東大の焦りと頑張り」参照。)、率直に言って“喉から手が出るほど欲しい”資金集めスキームではないでしょうか。
これは悪い意味ではありません。ネット塾的ではありますが、大学が本来持っている「講座」という王道の“商品”を、ネットでリーズナブルな安心価格で売るわけです。全く正しい選択だと思う。大学にとっても、社会にとっても、実にすばらしいことです。これぞ、自由経済・市場経済の環境で一流の学問が活かされる道だと思う。
東大MOOCは昨年の「Coursera」だけでなく、今年秋に「edX」にも参加するらしいので、ぜひグレードアップした内容で頑張ってほしいと思います。