東大の焦りと頑張り

東大の焦り?43論文の改ざん・ねつ造

朝日新聞等によれば、東大・分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授グループで、43本もの論文が改ざん・ねつ造されていた(嫌疑も含む)そうです。これには驚きました。個人的にはiPS騒動の森口尚史氏のケース以上の驚きです。

東大43論文に改ざん・捏造疑い

東京大学の調査委員会が、分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループの論文について、改ざんや捏造(ねつぞう)、もしくはその疑いがあると認定し、計43本は撤回が妥当と判断していることがわかった。ほとんどが、実験結果の証拠にもなりうる画像の不正だった。加藤元教授は撤回に応じるという。これだけ多くの論文が改ざん・捏造とされたのはきわめて異例だ。・・・
※朝日新聞デジタル、2013年07月25日、引用


※東大43論文に改ざん・捏造疑い 元教授グループ、ニコニコニュース、2013年07月25日、引用

衝撃的な記事です。加藤氏は2012年3月にこれら論文不正で引責辞任しているようで、今は「元教授」ですが、その後も徹底的に調べ上げられましたね。研究論文での改ざんやねつ造は禁じ手(不正)ですが、苦し紛れに手を染めてしまう。背景におそらく研究予算の削減があり、国立大学の東大でも一定の研究成果を出さないと、予算が付きにくい事情があるのかもしれません。大学教授たちの「焦り」の表れでしょうか。

東大の頑張り?世界大学ランキング14位

東大を始め、日本の一流大学も世界での競争環境にあり、徐々にではあるが、存在感を示し始めています。米国が圧倒的に強いですが、日本はイギリスと並び6大学をランクインさせ、一応 “世界第二位” の大学準大国です。特に東大は14位と頑張っています。

いろいろ言われていますが、世界14位は誇っていいと思う。ただ、うがった見方をすれば、これも東大など日本の大学の「焦り」が原動力かもしれません。日本の大学もスティーブ・ジョブス氏よろしくStay hungryになりつつある?

世界のトップ100大学に国内6大学がランクイン、掲載大学数で英国に並ぶ

サウジアラビアの世界大学ランキングセンターは、2013年のトップ100大学をランキング形式で発表した。・・・

トップ5には、ハーバード大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学、MIT、ケンブリッジ大学がランクイン。日本の大学では、東京大学がもっとも高い14位で、その後京都大学(15位)、大阪大学(35位)、慶應義塾大学(70位)、名古屋大学(91位)、東北大学(95位)が続いた。京都大学は、昨年の17位からランクを上げ、昨年トップ100大学に入らなかった慶應義塾大学は70位まで上がった。

国別に見ると、ランクインした100大学中57大学がアメリカという結果になった。続いて日本とイギリスからそれぞれ6大学がランクインし、フランスとイスラエルから5大学という結果となった。昨年と比較すると、ランクインした大学が1つ増えた日本は、大学数でイギリスに並んだ。
※リセマム、2013年07月02日、引用


国立大学の財政難が背景に

「改ざん・ねつ造」に、「世界ランク14位」。良くも悪くも、世界を見据えて苦闘している東京大学の姿が浮かび上がってきます。実はその背景に国立大学の財政難があるのは、明白でしょう。こういっては何ですが、予算削減によるハングリー東大・・・といった感じです。国はカネを出さない(いや、出せない)ので、自分たちで稼げ・・・と暗に言われているみたいです。

例えば、世界的にも貴重な植物が90種もある東京大学・小石川植物園が、資金難にあえいでいます。そこで東大は “Life in Greenプロジェクト” という「社会に開かれた植物園プロジェクト」(要は募金集めプロジェクト)を推進したり、はては1袋300円の「植物園のど飴」(!)を売ったり・・・。なんとも涙ぐましい努力をしています。

東大が危ない? 資金難の植物園

国から国立大学へ与えられる運営交付金は2004年から毎年1%前後ずつ削減されてい­ます。この予算削減の波は日本トップレベルの大学である東京大学も例外ではありません­。・・・
※YouTube、tokyomx、リンク

経費削減?本郷キャンパス合格発表中止

さらに、経費削減効果としては限定的かもしれませんが、あの毎年恒例の(テレビニュースで大騒ぎの?)「本郷キャンパスの合格発表」も中止するようです。これも「節約」を狙った涙ぐましい努力でしょうか。頑張れ(?)東大。

東大がキャンパス内での合格者発表を中止、Webサイトと電子郵便で対応

東京大学が7月24日に公開した「平成26年度 東京大学入学者選抜要項」によると、これまで本郷キャンパスの弓道場前で行われてきた合格者発表は平成26年度より中止されるようだ。・・・合格発表方法に本郷キャンパスの弓道場前の記載はなく、Webサイトと電子郵便のみでの確認となった。・・・

※リセマム、2013年7月24日、引用

※参考資料:
東京大学 分子細胞生物学研究所 の論文捏造、研究不正、2013年06月02日
森口尚史、Wikipedia、最終更新2013年07月16日
植物園整備「ライフィングリーン プロジェクト」:「Life in Green」プロジェクトとは、東京大学渉外本部、2010年02月19日
平成23年度概算要求基準の決定を受けて、東京大学本部企画課、2010年07月27日

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