※写真:DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー別冊11月号、「超」MBAの思考法、2009年11月01日、14~15ページ
以前読んだ「ハーバード・ビジネス・レビュー」に脳科学者の茂木健一郎さんが出ていました。“「プロフェッショナル脳」のつくり方” と題し、様々な分野の第一人者たち120人以上の共通項として、「倫理」「利他性」「セキュア・ベース」「ロールモデル」を挙げています。
そこで思ったのは、いわゆる「ネット塾」は教育界の「セキュア・ベース」ではないかということ。例えば、私の家では秀英iD予備校に参加しているのですが、時を選ばず(スマホなら場所も選ばす)自在に授業に出られるので、子どもにとって単に学校授業の予習復習に留まらず、ある種の心理的セキュア・ベースになっているようです。
リスクや不確実性を伴う行動に欠かせないのが「セキュア・ベース」(secure base)です。通常「安全基地」「安全基盤」と訳されますが、逃げ込む場所とか、一時的にわが身を隠す場所といった消極的なものではなく、むしろ積極果敢にチャレンジするためのインフラといえます。・・・
セキュア・ベースによって何らかの確実性が担保されていると、不確実性やリスクを伴う行為でも、人はリラックスすることができます。・・・要するに、人間はリラックスしている時、最高のパフォーマンスを出しやすく、これはビジネスの場合でも同じです。・・・
※DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー別冊11月号(同上)
つまり、いつでも中等教育における最高レベルの授業を聴講することができる。そういった安心感が、深層心理に良い影響をももたらすと思われます。
ネット塾は心の支えにもなる
もちろん、受験勉強などでは(ネット塾が)ある種の油断にもつながりかねないので、そこは気を付けないといけない。しかし、やはり不安定な心理状態でストレスを受け続けている受験生にとって、ネット塾は大きな心の支えにもなりうる、と最近感じています。
一流の人材には「セキュア・ベース」が不可欠で、だから彼らはリスクを取って不確実性にチャレンジできる。茂木氏はそう看破しています。勉強、特に受験勉強期間においては、まさに不確実な状態なので、心理的な「安全基地」は必要なのです。