企業は人なり
「企業は人なり」と経営の神様・松下幸之助氏は言ったといわれ、以前から日本では企業活動における従業員採用および人材育成の重要性が叫ばれています。企業において、素晴らしい製品開発も、効果的な販売戦略も、潤沢なキャッシュフローも、優れた社員が頑張るからこそ成立するのだ、と。
実は日本という国に置き換えても、同じことが言えると思います。1945年に第二次世界大戦が終わり、焼け野原から驚異の復興を遂げたニッポン。そこには必死に働く人々がいました。もともと江戸時代から読み書きそろばんを身に着け、海外に比べ多少なりとも知能が高めの日本人。意図したわけではありませんが、この優れた「人的資源」はフルに活用され、結果として高度経済成長そしてバブル経済を謳歌してきました。
少子高齢化
ところが21世紀に入り、少子高齢化で人口減少という国としての成熟期というか衰退期に入り、経済も右肩下がりに陥り、失われた10年、20年、30年と喧伝される始末です。そもそもこの小さな島国には石油や天然ガスなどの化石燃料とよばれるエネルギー資源があまりありません。「エネルギー資源」がもともと少ないところに持ってきて、「人的資源」も少子高齢化で減少している。そりゃあ、落ち目になるのもうなずけます。
天然資源に乏しい我が国であるのだから、人口だって1億人ちょっとしかいないのだから(しかも減っているし)、国土面積も米国カリフォルニア州よりも11%も狭いのだから、日本は社会・国を挙げて「人材育成」に真剣に取り組む必要があると思います。
生涯教育・生涯学習
教育こそ国家存亡のカギであり、「日本は人なり」なのです。ただ人口減少・少子高齢化の問題は根が深く、そうそう簡単に解決できるものではありません。そこで「教育」といっても、あらゆる世代を念頭に置いた「生涯教育・生涯学習」が重要だと思います。岸田総理が掲げる「異次元の少子化対策」も、単なる人口増加プロジェクトではなく、大きく人的資源の育成の観点からも考えるべきかと思います。