2つの言葉、いわゆる外国語を学ぶと、言語・非言語の知能が高くなったり、マルチタスクの能力が高まったり、ということが分かってきているんですよね。要するに脳の潜在能力を高めるということです。・・・
バイリンガルの人はアルツハイマー病の発症が5年ほど遅くなるという話があったり、あとは脳卒中などで認知機能に問題が起きたときにそれの回復も2倍になるというようなデータもあるということなんです。
※天才児5000人の追跡調査で分かった、脳を活性化させる方法、ホウドウキョク、2017年01月28日
要は脳に刺激を与えれば、脳は発達するし、鍛えられるという話です。上記の記事では、脳を活性化させるには「空間認識能力」と「外国語を学ぶこと」が重要と主張されています。とくに語学は誰もがすぐに取りかかれる。手っ取り早く「脳活(脳の活性化)」に取り組めるのです。
イタリア・ミラノのサン・ラファエル大学のジュビン・アブタレビ先生(認知神経心理学)はおっしゃいます。「バイリンガルの前帯状皮質には、モノリンガルよりはるかに多くの灰白質が見られます。バイリンガルのほうがずっと頻繁に前帯状皮質を使っているからです」(クーリエ・ジャポン、2017年01月12日)
大脳皮質が拡大
灰白質=大脳皮質ですから、いわゆる脳のシワシワの部分。神経細胞そのものと言ってもいいわけで、それが語学で目に見えて増えるわけです。想像以上にバイリンガルになることは、脳の健康にプラスになる。脳の実行機能にも良い影響があるそうで、集中力、問題解決力、注意力、柔軟な思考、マルチタスクといった面で優れるようになる。
つまり、外国語を学ぶことは、脳を器質的(ハードウェア的)にも機能的(ソフトウェア的)にもより改善されることを意味する。もちろん物理的に脳細胞が増える形をとるので、認知症や脳卒中などの脳疾患の治療にもプラスに働く。脳のどこかがダメになっても、他の脳の部分がそれを補いやすいためだ。
認知症の場合、さすがに認知症そのものを完全に回避はできないが、約5年ほど症状を遅らせる知見が出ている。これはなかなか素晴らしいことです。それほど効き目のある薬剤はないと言われていますから・・・。アルクの記事によれば「バイリンガリズム(二言語併用)は現在得られるどんな薬よりも認知症への影響が強いという可能性が示唆された」(エジンバラ大学トーマス・バック教授)そうです。
※参考資料:
・天才児5000人の追跡調査で分かった、脳を活性化させる方法、ホウドウキョク、2017年01月28日
・バイリンガルはボケないし、1500万円も多く稼ぐ?|複数言語学習は脳に効く!(後)、クーリエ・ジャポン、2017年01月12日
・第2言語の習得は認知症の予防に?エジンバラ大学とニザム医科学研究所による最新調査結果、語学力アップブログ、アルク、2013年11月25日
・灰白質、Wikipedia、最終更新2016年11月15日