65歳の司法修習生

65歳の司法修習生 知の欲求ひたすらに

・・・福岡市職員として国際スポーツ大会招致に携わり、東区長も務めた吉村哲夫さん=同市早良区=は本年度の司法試験に最高齢で合格し、弁護士を目指す。「何をいまさら」の心配をよそにわが道を行く。笑いながらも、目は真剣。「一人前になるのが先か、寿命が尽きるのが先か」・・・

「調べないと分からないことがあるのが楽しい」。興味を持つと、はまり込む。・・・退職後の2011年、京都大法科大学院に入学。合格者160人の中で28番。・・・1時間半の授業に3~8時間の予習。厚い教科書の注釈に答えの鍵があることも。午前3時になっても予習が終わらず、涙が頬を伝った。1学期が終わるまでに体重が7キロ落ちた。・・・「20代と同じ目線にならなければ」。40歳下の友達を懸命につくった。・・・

最初の司法試験は不合格。福岡市に戻った。机の前に座ると食事まで休まない。やがて腰痛で座れなくなり、注射して試験に臨み、2度目の挑戦で合格した。・・・11月の試験に受かれば弁護士資格を得るが、就職先のあてはない。・・・「20代だって明日どうなるのかは分からない。何をいまさら、と諦めたら意味がない」

西日本新聞朝刊、2015年01月23日、引用

「一人前になるのが先か、寿命が尽きるのが先か」

すごいねぇ〜。この方は偉大だ。子供の頃から勉強好きで、興味があると、のめり込む性格らしい。市職員時代も夜間大学で経済学を学び、さらに英検1級(!)をも取ったそうです。さすが、旧帝大の九州大学法学部ご出身ですね。アタマの出来が違う。

しかしそうは言っても、還暦過ぎての「司法試験」合格は凄まじい。よっぽど、人並み外れて「勉強好き」でないと不可能だ。世の中には(良い意味で)こんな方もいらっしゃるのですね。「20代だって明日どうなるのかは分からない。何をいまさら、と諦めたら意味がない」。確かに・・・。アラフィフオヤジの私には身にしみる言葉です。

楽天の三木谷さんも中国語を学ぶ

勉強といえば、楽天社長の三木谷浩史さんも、超多忙のはずなのに中国語を極めようとしている。ちょっと古いのですが、2013年01月09日の日本経済新聞にこんな記事が出ていました。

年も押し迫った2012年12月26日。楽天社長の三木谷浩史(47)は本社で、テレビ会議のカメラに向かっていた。三木谷が肩をすくめて中国語で何か言うと、画面の向こうの台湾のスタッフがドッと笑った。

三木谷が中国語の勉強を始めたのは10年の春。この年、楽天は社内公用語を英語にすると決めた。すでに英語に堪能な三木谷は「社員が頑張るのだから俺も」と中国語を始めた。・・・

創業当時も、一橋大学→日本興業銀行と非理数系の三木谷さんをして、(少しですが)彼はプログラミング言語を独学で学び、楽天の創業メンバーに驚かれたそうです。上記の中国語学習といい、とにかく負けず嫌いで率先垂範の性格が出ていますね。

しかし、若手ベンチャー社長No.1だった三木谷さんも、実は1965年生まれで、今や立派な(?)アラフィフオヤジ(失礼!)です。にもかかわらず、学び始めて数年の中国語で台湾スタッフから“笑いを取る”など、たいしたものです。社員も頑張らざるを得ません。

「知の欲求」とスマホ学習

「知の欲求」が強い人は誰でも、なんだかんだ勉強するわけです。それを見て、「勉強オタク」、「勉強中毒」と毒づく人もいますが、そんな周囲の声を気にしているうちは、まだまだでしょう。島国の日本人は概して周りの目を気にしがちですが、思うに、気にしても一銭にもなりません。そう、「知の欲求」が強い人はだいたいマイペースなんです。

そしてこのご時勢、スマートフォン(スマホ)やタブレットという格好の勉強ツールが出てきました。いつでも、どこでも、誰とでも(?)、手軽に勉強できる環境になりつつあります。例えばネット塾系の代表格でもある「受験サプリ」あたりはその典型ですね。

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これからは、還暦過ぎで「司法試験」突破の吉村哲夫さんはさすがに超例外的としても、それに若干近い感じで、中高年の方々でも勉強好きな人たちは、スマホなどITデバイスも活用し、どんどん勉強する時代になると思う。「学生」という言葉に年齢制限はないのです。

※参考資料:
帝国大学、Wikipedia、最終更新2014年12月27日
日本経済新聞 電子版、2013年01月09日
三木谷浩史、Wikipedia、最終更新2014年12月05日

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