※画像: マルウェア対策研究人材育成ワークショップ2011、MWS について、2011年10月20日、引用
※あくまでイメージです。
「5年以内にインターネットが全面停止」に備えた事業継続計画
近いうちにインターネットで大規模障害が発生すると予測するボナー氏。問題は、インターネットの全面停止を前提としたBCPを立案している企業がほとんどないことだという。・・・
スイスのコンサルティング会社KPMG Internationalで情報保護とビジネスレジリエンス(耐障害性)を担当するパートナー、スティーヴン・ボナー氏は、インターネットノード(インターネットに接続している機器全て)が以前の予想をはるかに上回る勢いで増加したために、向こう5年以内にインターネットが全面的に停止する恐れがあると話す。
「今後5年以内に、インターネットがかなりの規模で停止すると予測している。しかも、復旧まで2~3日を要するほどの事態だ」と同氏は本誌Computer Weeklyに語った。・・・同氏は、インターネットの停止が発生するとしたら、その原因は何らかの人為的なミスだろうと考えている。・・・
マルウェアに感染した場合に似たプロセスで、世界中のルータが意図的ではなくても結果的に全て停止するシナリオだ。「お手つき」(finger trouble)とも呼ばれるが、でたらめな情報を誰かが入力すると、その誤ったデータが連鎖的かつ自己増殖的に拡散する障害で、最終的にルーティングテーブルやドメイン名を管理するサーバが全て混乱して、まともに機能しなくなる。・・・
※TechTargetジャパン 経営とIT、Computer Weekly、2014年09月19日
「インターネットが全面停止」。ワナワナワナ・・・。あまりに恐ろしいシナリオ、驚愕の未来予測です。でも、確かに可能性は十分にあるそうです。
そもそも、インターネットは脆弱です。昔1990年代中ごろ、マイクロソフトのビルゲイツ会長(元会長)もそう主張していた時期もありました。スティーヴン・ボナー氏(Stephen Bonner)いわく、「インターネットには確かに、悪意を持つ者が本気で攻撃すれば通信を停止させることができる脆弱性(vulnerabilities)がある」(TechTargetジャパン、ComputerWeekly.com)そうです。
Microsoft Onlinestore(マイクロソフト直販サイト)
今までよく言われていたのですが、このインターネットの脆弱性でネットが危機に陥るのは、次のようなケースです。例えばイスラム原理主義過激派や中国政府(軍部?)が、米国や日本にサイバー攻撃を仕掛けるようなパターンです。しかし、ボナー氏は「世界中のルータが意図的ではなくても結果的に全て停止するシナリオ」を言及している。
意図せず世界中のインターネットが止まる
つまり、トラブルというか何らかの“間違い”や“不具合”で、意図せず世界中のインターネットが大規模障害に見舞われるという見立てです。たしかに、これだけ複雑かつ多岐にわたりインターネットが利用され尽くすと、ある種のランダムなデータが、コンピュータウイルスやマルウェアのように広まり、甚大なる影響力を及ぼす可能性がある。
なるほど、アンチウイルスソフトなど、今日、各種のデータ保護の対策は多くの局面で進んでいます。各々のデータの多くはプロテクトされるかもしれません。でも、回線自体への悪影響、すなわち数日間の世界的なインターネット全面停止はありうる。
教育にもネットは入り込んでいる
ネット塾など、教育・学習環境にも既にインターネットは入り込んでいます。「タブレットが昨年比2倍に」(ネット塾ジャーナル、2014年10月30日)の記事にもありますように、今後の「学校におけるICT環境は急ピッチで整備」されるのは間違いありません。しかし・・・
将来、インターネット自体が世界的な大規模障害に見舞われるとすると、ネット無し、さらにはICT無しでも、キッチリ学校教育などはすすめられないといけない。そういう意味でも、例えば「Z会」のようなトラディショナルな教育カリキュラムは併存すべきでしょう。私もちょっと反省、というか見方を複眼的にしないといけないと感じました。
※参考資料: Total internet failure: are you prepared?、ComputerWeekly.com、Warwick Ashford、2014年07月16日