中学英語の「習熟度別指導」全国拡大検討へ
文部科学省は、一部の公立中学校で行われている英語の「習熟度別指導」を、全国的に広げて実施できるよう検討を始める。
生徒の理解度に応じた少人数グループによる指導で学力向上を図り、2020年度に実施を目指す中学での英語による英語授業に向けて弾みをつけたい考えだ。今月上旬に有識者会議を発足させ、今年夏をめどに、すでに導入している中学校での効果を検証し、提言をまとめる。
公立中では、アルファベットの読み書きが困難な生徒と、日常英会話が堪能な生徒が混在し、教員から「授業が進めにくい」との声が出ている。一方、習熟度別指導を導入している中学校では、生徒の理解度向上や学習姿勢の積極化などの効果が見られるという。・・・
※読売新聞、2014年02月03日、引用
文科省は例として、一つのクラス内で複数の少人数グループに分割し、(a)基礎グループではアルファベットの書き方など初歩的な内容を、(b)発展グループでは読解や作文など発展的な内容を、取り組ませる等としています。
英語教育熱で英語力格差が拡大
たぶん昨今の“英語教育熱”により、中学1年生の教室で、①ネイティブスピーカー並にペラペラの生徒と、②アルファベットもまともに書けない生徒(昔なら、ある意味当たり前だが・・・)が並存しているのでしょう。①と②のギャップが、質量ともに以前より大きくなってきていると思う。さしずめ「英語力格差」の拡大・・・といった状況でしょうか。
例えば、NHKの「えいごであそぼ」を視聴していても、最近の子どもたちはプチ英語“ネイティブスピーカー”化している、と思えるからです。特に昨年(2013年)に入ってから、「えいごであそぼ」に出てくる子どもたちの英語は、格段にネイティブっぽくなってきている気がします。
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NHK教育「えいごであそぼ」から生まれた幼児英語教育セット教材
Blended Learningの活用
しかし、見方を変えると、英語の「習熟度別指導」はまさにBlended Learningのやり方にぴったりハマります。つまり、ネット塾系のeラーニングを活用することで、文科省が考えている英語の「習熟度別指導」は十分可能です。
High-Quality Blended Learning(高品質の従前とデジタルの混合学習とは):
1) Personalized(個別指導)
2) Mastery-Based(習得ベースでの学習)
3) High Expectations(高い学習効果)★
4) Student Ownership(生徒の主体性を重視)★3番はRelationshipsというか、「生徒と先生の信頼関係」がこの3番にくる場合もあります。
※Blended Learning、ネット塾ジャーナル、2013年10月16日より
具体的には、従来の学校現場で行われている習熟度別にクラス分けを行わなくても、クラス内部に弾力的な習熟度別グループを仮に設け、一定のルールでローテーションをかける。学習の半分はeラーニング教材を使う。結果として、個別指導の色彩が強まり、習熟度別の効果も現れる。
クラスはいわゆるワークショップ(作業場)の位置づけになる。教室は語学を実践する「作業場」になるのです。そこには当然ですが、勉強していない生徒、苦手な生徒も何人かはいる。その子たちは仕方ないので、その作業場でeラーニング学習(半自習)することになる。しかし、それはそれで、勉強していない子どもたちにとって、一定の学習機会になります。ネット塾的なeラーニング教材は年々優秀になってきていますからね。
eラーニングとのコラボを
文科省も中学英語の「習熟度別指導」を全国拡大するのであれば、ぜひeラーニング(ネット塾系)とのコラボを充分に効かせて、“効果絶大”かつ“落ちこぼれゼロ”を目指してほしいと思います。そしてそれは実現可能だと思います。