※写真:ビジネスパーソン研究FILE、就職ジャーナル、2013年03月01日、リンク
リクルートの「就職ジャーナル」に「受験サプリ」の開発秘話が載っていました。開発担当の株式会社リクルートマーケティングパートナーズ・池田脩太郎さんです。記事にある彼のキャリアステップを通じ、「受験サプリ」の理念も見えてきます。
京都大学工学部卒業後、2009年にリクルート(現リクルートマーケティングパートナーズ)に入社。進路サポート部で神奈川エリアを担当。高校に情報誌を届け、情報誌やWebメディアへ高校生の読者登録を増やす仕事からスタートしたそうです。
生徒の未来を良くしたい
「現場を回っていたころ、情報誌を届ける意味について考えたことがありました。先生たちは情報誌が欲しいわけじゃなく、生徒の未来を良くしたいとだけ願っている。・・・」
この「生徒の未来を良くしたい」という高校の先生方の思いが、池田さんの原点というか理念に昇華しているようです。しかし入社1年目で、すでに仕事のビジョンが見えてくるとは、すごい方です。
講演会が大成功
そこから「情報誌を届けるだけのものではなく、そこから高校生のアクションを生み出し、進路選択のきっかけにつなげる」という行動指針が生まれた。そこで具体的に何をしたかというと、「講演会」の開催です。高校側に打診すると多くの前向きな反応があり、営業部のバックアップで講師を増やし、講演会を大々的に開催。大成功する。
「配布だけでは能動的な高校生しか動かせなかったんですが、講演のおかげで、受動的な高校生も動かし、資料請求アクション率が300パーセントアップしたんです!」
予備校のオンライン授業
入社3年目の2011年にメディアプロデュース部に移る。既存サービス関連企画を手がけたが、うまくいかない。そこで「新規事業コンペ」に挑戦することに・・・。そこで生まれたのが「受験サプリ」の原点です。
「結局のところ、高校生が見たいものって何だろう?」と思いついたのが、予備校の授業のオンライン配信。「カリスマ講師の授業も、オンラインで利用者を広げれば安く提供できるのではないか」と考えたそうです。上司と2人で企画をまとめコンペにトライ。まず訴えなければならなかったことは、「なぜ競合がこのサービスを手がけず、そしてなぜうちの会社がやるべきなのか」ということ。
1. 高価格、高コストの予備校では、オンライン授業の可能性を感じていても低価格で提供するような価格破壊に踏み切ることが難しい。
2. しかし、業界未参入でさまざまなオンライン事業を展開しているリクルートなら破壊的イノベーターになれる可能性がある。
これが結論でした。その後は、いろいろな伝手をたどってカリスマと言われる予備校講師を口説く。「受験に自由を」、すなわち経済的、物理的な理由で塾や予備校に行けない高校生のためになりたい、という理念に講師にも共感していただいたそうです。こうして「受験サプリ」は生まれました。
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なるほど。「生徒の未来を」が原点なのですね。今後、「受験サプリ」は間違いなく業界スタンダードになるでしょう。現場で培った「生徒の未来を」という原点さえ忘れなければ・・・。
※参考資料: ビジネスパーソン研究FILE | 新サービスを生み出し、社会に影響を与えていく、就職ジャーナル、掲載日2013年03月01日